肛門内科
痔は良性疾患であり命に関わることはほとんどありませんが、進行させてしまうと生活の質を大きく損ねてしまいます。いぼ痔や切れ痔は早期であれば薬物療法などで症状を落ち着かせることができます。肛門からの出血は直腸にできた大腸がんや前がん病変の直腸ポリープでも起こることがありますので、出血があった場合にはできるだけ早く受診して原因を確かめることが重要です。
以下の症状がある方、病気を指摘されたことがある方はぜひ受診してください。
主な肛門の症状
肛門内外のいぼ状のでっぱり、肛門からの出血、排便時の痛み、かゆみ
対応疾患
- いぼ痔(内痔核・外痔核)
- 切れ痔
- 痔ろう
- 肛門周囲膿瘍
- 肛門ポリープ
- 肛門周囲皮膚炎
- 肛門皮垂
など
予約から会計までの流れ
肛門科受診は、少しハードルが高いと感じる方が多く、ためらっているうちに悪化させてしまうケースがあります。診療の具体的な内容が分からず不安だったという声をよく耳にしますので、一般的な初診の診療内容を下記でご紹介しています。また、他にも気になる心配事がありましたら、お問い合わせください。
Step1予約
Web予約、LINE予約、電話予約
※予約なしで直接ご来院いただいても大丈夫ですが、事前にWeb予約または電話予約をしていただくと待ち時間を最小限にしたスムーズな診療が可能になります。
Step2来院
持ち物:保険証、お薬手帳(お持ちの場合)
保険証、お薬手帳(お持ちの場合)を受付に提出し、問診票をご記入ください。
Step3診察
ご記入いただいた問診票をもとに症状や既往症などについてご質問し、診察します。気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
Step4肛門の診察
肛門診察時、女性の患者さんの場合は女性の看護師同席のもと診察を行います。 視診で状態を確認し、手袋の上から医療用の麻酔ゼリーを塗って指診を行い、しこりやポリープなどの有無を確認します。痛みや不快感は麻酔ゼリーで軽減されます。
Step5肛門の検査
内部を調べる必要がある場合には、筒型の肛門鏡や直腸鏡による観察を行います。この検査でも医療用麻酔ゼリーを使用しますので、痛みや不快感はほとんどありません。また、大腸カメラを行う場合もあり、その際には肛門内も詳細に確認できます。
Step6診断・治療
検査結果をもとに診断し、患者さんに詳しくご説明いたします 。可能な治療についてお伝えした上で、患者さんと相談しながら治療方針を決めていきます。別途、大腸カメラが必要な場合には、検査内容や注意点などを詳しくお伝えし、同意をいただいた上で検査スケジュールを決めていきます。 診断~会計まで、主に下記の3パターンの流れになります。
① お薬の処方(内服、外用薬治療)のみ
→お会計後、薬局でお薬を受けとって終了となります。
② 当日可能な検査の結果後に治療方針決定
→検査結果説明後、 精密検査が必要と判断した場合は、高度医療機関へご紹介します。
③ 予約にて後日の検査が必要(大腸カメラなど)
→大腸カメラなどの後日検査が必要な場合は、患者さんの意思も確認しながら日程、治療方針を決めていきます。 大腸カメラの詳しい検査の流れはこちら(大腸カメラ)のページへどうぞ。
主な肛門の症状
肛門内外の膨らみ・でっぱり
肛門内外にいぼ状のでっぱりができた状態です。肛門内にできる内痔核は、排便時に脱出して発見されることがあります。他にも、肛門ポリープ、直腸脱、大腸ポリープなども疑われます。
肛門からの出血
排便時の肛門の痛み
切れ痔では排便時の痛みが強く、徐々に治まります。また、嵌頓痔核や血栓性外痔核でも強い痛みを起こします。痔ろうの原因疾患である肛門周囲膿瘍は化膿によって脈打つような強い痛みを起こすことがあります。
肛門のかゆみ
肛門周囲膿瘍や痔ろう、そして肛門周囲皮膚炎では肛門周辺のかゆみを生じます。肛門周囲皮膚炎は軽い炎症の場合もありますが、肛門疾患があって生じている場合やカンジダ菌、白癬菌などの真菌(カビ)、アレルギーによって生じているケースもあります。真菌によるものの場合、抗菌剤での治療が逆効果になって悪化させてしまうこともあります。かゆみが続く場合はお早めにご相談ください。
肛門疾患
肛門ポリープ
肛門と直腸の境目である歯状線の肛門乳頭が肥厚した良性腫瘍です。炎症性・繊維性などに分けられ、便通異常や痔などによって発症しやすくなるとされています。出血や脱出を起こしますので、内痔核や直腸がんなどと正確に鑑別することが重要です。内痔核と違い、治療には手術が必要です。脱出や出血以外では、便意があるのに便が出ない、肛門周囲のかぶれ、かゆみ、残便感などで、早期に発見できることもあります。
肛門周囲皮膚炎
肛門周囲の皮膚が炎症を起こしている状態で、肛門疾患によって清潔を保てなくなって生じることがよくあります。また、真菌(カビ)感染やアレルギー、洗浄し過ぎによるバリア機能低下などによって生じているケースも少なくありません。真菌感染の場合は、抗菌剤による治療で悪化してしまうことがありますので、かゆみが続く場合には早めに受診して適切な治療につなげることが重要です。
肛門皮垂
肛門にできた腫れや膨らみが解消した後に皮膚のたるみが残ってしまっている状態です。清潔を保つのが難しいため、肛門周囲皮膚炎などのリスクが高くなります。また、女性の場合、膀胱炎の再発を繰り返す原因にもなります。薬物療法などでは治せないので、切除が必要です。